さらば優しい夢
その存在さえも忘れかけてから、気づく。

大切なものを大事にすることは難しい。

空いた隙間を埋める前に、切れた糸を結ぶべきだったんだ。失くした連鎖は二度と僕の前に現れない。ひきちぎった言葉だけをポケットに詰めて、それでいい、だなんて。いつからそんなに寛大になったんだ。

ただ終末だけを求めていた。泣き続けた夜も、その次に訪れる朝も。
掴んだものに縋り、剥落する時を待っていたんだ。
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# by lullingly | 2006-05-06 00:15 | *30TITLE
光に紛れて死す
きみもぼくも失われていく。失っている。生まれたときから、少しずつ。世界はいつしか終わるだろう。きみやぼくに限らず、全ての世界が静かに終わりを迎えるだろう。消滅する順番を待ちながらぼくらは体温を保ち続ける。きみもぼくも失われながら呼吸をしている。失われながら存在している。連綿と続くその課程が酷く愛しいのは、終わりが在るからで。終焉が訪れるからこそこんなに幸せなんだ。

永遠なんて終わりのないものは怖いけど。この幸せはずっと在ればいいのに。
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# by lullingly | 2006-05-06 00:10 | *30TITLE
15. 世界
言葉にできなくて
渦巻く僕の心意
見つけて欲しくて
吐露しかけた混沌

やっぱり君に伝えないで
僕だけの物にしておくよ
わかってほしい
わかりたい
繰り返して僕ら歩いてきたけど
大切な想いはもう重なっただろう

小さな隙間を埋めるより
繋いだ手のことだけを考えて
幸せの中に沈んでゆくんだ
見つけたまどろみの中
君がとなりに居るかなんて
確かめなくても指先が知っていた

眠りから覚めれば
知らないことばかりの明日が来て
何かと出会ってゆくのだろう

君と僕が離れてしまわないように
僕の手は存在してる

沈みゆく昨日
終わる今日
完全を望まない僕らの明日
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# by lullingly | 2006-04-29 00:58 | *16のお題
11. 墓地の足跡
こわすのも
いとおしむのも
かんたんだって
思っていたあの日

ぼくは、ことばをなげて
きみの呼吸をとめようとした

やわらかい吐息を
飢えた目でしか
みれないぼくは
保つ術をもたず
一緒に生きれも
しなかったから

流れ落ちる血のにおい
目に映ったきみの笑顔
ぼくの鼓動を奪うには
十分なくらいに清廉で

結局そう、
何も変わることはなく
ぼくが殺したのはぼくだった
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# by lullingly | 2006-04-27 03:22 | *16のお題
12. 切れないハサミ
重ならない鼓動を
何度近づけてもね
不安定な音を奏でるだけで

ぼくはぼくでしかなく
きみはきみでしかなく

おなじになんてなれなかった

あとをたどって
くるまった毛布を
少しずつほどいてゆくよ



――------
きこえなくてもいいと
ひとりよがりなぼくは
きっと、きみのことなんて
はじめから信じていなかったんだ
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# by lullingly | 2006-04-27 03:18 | *16のお題